チャレンジ!労働法~ミー猫とつばさのまなびネット|1コース - 問題7


- Q7 -

【懲戒とは】
ほとんどの会社では労働者に対する懲戒処分の制度が就業規則に設けられています。会社の秩序の維持・形成のために、使用者は就業規則の規定に基づいて労働者に対する懲戒処分ができるとされています。

【懲戒処分の種類】
懲戒処分にも制裁として軽いものから重いものまで様々な種類がありますが、基本的な型は、「戒告」「減給」「出勤停止」「懲戒解雇」です。いずれも労働者に対する不利益を科すものといえますので、どのような場合(懲戒事由)にどのような懲戒処分にするのかを就業規則等に明記しなければならないとされています。
懲戒事由は「限定列挙」であると解されており、就業規則等に「懲戒事由」として列挙されていない事由を理由として懲戒処分をすることはできません。どのような懲戒処分にするかの形態の基準が定められていなければ懲戒処分はできないとされていますので、減給に該当する懲戒事由があることを理由として懲戒解雇をすることはできません。また、懲戒規定が就業規則に規定されている場合には、その規定が「周知」され、かつ「合理性」があることが必要となります(労働契約法7条)。そして、懲戒事由は企業秩序の維持という趣旨に照らして、限定に解釈されることも多くあります。
就業規則に懲戒処分の規定が明確に定められているとしても、実際に懲戒処分を行うかどうか、また処分を行うとしても戒告から懲戒解雇まで軽重の度合いがさまざまに違う処分のうちのどれを選ぶのかについては使用者の裁量に委ねられているとされています。ただし、懲戒処分はしばしば労働者に重大な職業生活上の不利益をもたらすものであることから、使用者の裁量権は無限定ではなく、規律違反等の種類・程度に応じた相当なものでなければならないとされています(相当性の原則)。客観的に見たときに合理性に欠けている処分や、社会的通念に照らしてみたときに相当であると認められないような処分は、懲戒権の濫用であるとされますので、そのような懲戒処分は無効になります(労働契約法第15条)。

【懲戒処分の基本ルール】
なお、懲戒処分の基本ルールとしては、上記の相当性の原則の他にも、平等的取扱いの原則(同じ規律に同じ程度違反した場合には同じ程度の処分が行われなければならない)、不遡及の原則(就業規則の制定・改正によって、制定・改正前の行為を処分してはならない)、適正手続の原則(就業規則の懲戒手続きに反する処分は許されない)などもあります。
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