チャレンジ!労働法~ミー猫とつばさのまなびネット|1コース - 問題20


- Q20 -

【不当な足止めの防止】
労働基準法や労働組合法では、労働者を会社に不当に足止めさせるような条件を付けることが禁止されています。
まず、労働基準法第16条では、「労働契約の不履行について、違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約」を禁じています。例えば、労働者が契約期間の途中で会社を退社した時に、労働者の不注意で会社の備品に損害を与えた時、ペナルティとしていくらを支払うというようにあらかじめ賠償額を決めておくことはできません。ただし、労働者の故意・過失により会社に損害を与えた場合に、損害賠償を請求することまでを禁止したものではないことに注意が必要です。
その他、労働契約の禁止事項については、10万円貸すから働いて返せというような、労働を条件とした前貸しの債権と賃金を相殺してはならないという定めがあります。これを「前借金相殺の禁止」(労働基準法第17条)といい、たとえ本人の同意があったとしても許されず、相殺以外の方法で返済することが求められます。また、毎月1万円ずつ会社に預けよというような、労働契約に付随した強制的な貯蓄の契約も禁止されています。これを「強制貯蓄の禁止」(労働基準法第18条)といい、この場合には、労働者の委託がある場合に限り有効とされています。

【研修費用についての考え方】
退職時に研修費用の返還を求めることについては、裁判例は、研修の「業務性」の有無を重視して判断する傾向にあります。したがって、会社での業務に不可欠な研修を会社の指示で受けた場合に発生する対価の負担については、「使用者として当然なすべき性質のもの」であり、これを労働者に求めることは不当とされています。
また、「特別な理由なく帰国後一定期間を経ず退職する場合、留学に際し支払った一切の費用を返却する」とした誓約書を取り交わした上で、会社が労働者の留学にかかる費用を支出する場合も多く見られますが、このような場合にも留学の「業務性」の有無を重視して判断される傾向にあり、たとえば、留学の業務性が薄く個人の利益性が強いと認められる場合には、本来労働者が負担すべき費用を会社が労働者に対して貸し付けたものとして、労働者が規定に反して定めた期間を経ずに退職した場合には、留学費用の返還が認められる傾向にあります。
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