【日雇派遣の概念と趣旨】
本来、労働者派遣制度は自分の能力を生かして好きな期間、長期でも短期でも、働くことができるはずですが、短期雇用の労働者を派遣する形態が悪用され、社会問題となりました。また、短期の雇用では派遣元事業主も派遣先も必要な雇用責任や管理責任を果たすことができないことから、平成24年の法改正により、日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)は原則として禁止されています(労働者派遣法第35条の4第1項)。なお、30日以内かどうかは派遣元事業主と派遣労働者との派遣労働契約についてみることになります。派遣元事業主と派遣先との労働者派遣契約についてではありませんので注意してください。
【日雇派遣禁止の例外】
日雇派遣は原則として禁止されていますが、日雇派遣の弊害を生じさせるおそれがない「業務」と「場合」については、例外的に、日雇派遣が認められています(労働者派遣法第35条の4、労働者派遣法施行令第4条1項、2項)
1.日雇派遣労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがない「業務」
| 1号 |
ソフトウェア開発 |
| 2号 |
機械設計 |
| 3号 |
事務用機器操作 |
| 4号 |
通訳・翻訳・速記 |
| 5号 |
秘書 |
| 6号 |
ファイリング |
| 7号 |
調査 |
| 8号 |
財務処理 |
| 9号 |
取引文書作成 |
| 10号 |
デモンストレーション |
| 11号 |
添乗 |
| 12号 |
受付・案内 |
| 13号 |
研究・開発 |
| 14号 |
事業の実施体制の企画立案 |
| 15号 |
書籍等の制作・編集 |
| 16号 |
広告デザイン |
| 17号 |
OAインストラクション |
| 18号 |
セールスエンジニア・金融商品の案内 |
これらの業務は、従来から、専門性があることを理由に「政令で定める業務」の一部として派遣が可能とされていたものです。日雇派遣を規制するにあたり、旧政令26業務の中から日雇派遣の需要がある業務を選別し、かつ専門的な知識と経験と技能に裏付けられた能力を必要とする業務であれば、短期の労働契約で派遣されても自らの権利は自ら守ることができ、日雇派遣の弊害を回避できるとの考え方に基づいています。
2.雇用機会の確保が特に困難な労働者の雇用の継続等を図るために必要な「場合」等
| 場合 | 確認方法 | 確認方法の例外 |
| ➀60歳以上の者 | 年齢を確認できる公的書類(運転免許証等) | 日雇派遣労働者からの申告可 (誓約書の提出)
※例外の例外であることから、慎重な取扱が必要です。 |
| ➁雇用保険の適用を受けない昼間学生 | 学生証等 |
➂副業として働くもの (生業収入500万円以上の者) | 本人の所得証明書、源泉徴収票の写し等 |
➃主たる生計者以外の者 (生計を一にする配偶者等の収入により生計を維持する者で、世帯収入が500万円以上である者。日雇い労働者の収入は世帯収入の50%未満でなければならないが、同居の有無は問わない) | 生計の同一性=住民票、健康保険証等の公的書類
収入の要件=本人・配偶者等の所得証明書、源泉徴収書の写し等 |
これらの「場合」については、該当するか否かを各種の書類により確認する必要があります。もし、合理的な理由によりこれらの書類が用意できない際には、日雇派遣労働者本人からの申告(誓約書の提出)でも例外的に可能となっています。その際には、派遣元管理台帳と共に誓約書を保管し、誓約書にせざるを得なかった理由も記載することが大切です。