チャレンジ!労働法~ミー猫とつばさのまなびネット|3コース - 問題5


- Q5 -

【懲戒処分とは】
労働者が、企業秩序(事業活動を維持・運営していくうえで不可欠な職場の規律)に違反した場合、使用者がその労働者に制裁として与える罰のことを「懲戒処分」といいます。懲戒処分は、口頭注意などの比較的軽いものから、懲戒解雇にいたるまで、程度に応じて数種類定められていることが多いようです【懲戒処分の基本的な考え方については、1コース問6参照】。

【懲戒処分の種類】
懲戒処分の主な例として、・口頭で注意する戒告、・始末書を提出させる譴責、・始末書をとり、一定額の賃金を減額する減給、・始末書をとり、一定期間出勤を停止する出勤停止、・本人に諭旨のうえ退職を勧告し、退職届が提出されない場合に懲戒解雇とする論旨解雇、・即座に労働契約関係を終了させる懲戒解雇などがあります。

【制裁規定の制限】
このうち、労働者が規律違反をしたことを理由に、賃金の一部を減額する「減給」については、労働基準法91条が規制をおいています。ただし、例えば遅刻や早退をしたときに、その時間分(つまり働いていない=「ノーワーク」の分)の賃金を支払わない(=「ノーペイ」)という扱いは、労働契約の解釈として許されるので(「ノーワーク・ノーペイ」という考え方です)、同条の問題とはなりません。しかし、その時間分を超えて賃金を減額したり、「遅刻したこと」「早退したこと」そのものを理由に、ペナルティとして賃金を減額したりすることは、一種の懲戒処分であり,「減給の制裁」として労働基準法91条によって規制されています。

減給の制裁を就業規則で定めるときには、労働基準法91条により、減給する事案1件について、減給額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならないとされており、また、事案が複数回生じた場合であっても、個々の減給額の合計が一賃金支払い時期における賃金総額の10分の1を超えてはならないと定められています。これを超えて減給する必要がある場合、その次の賃金支払い期間まで減給を先送りしなければなりません。

なお、懲戒に関する規定は労働者に対して不利益を科す根拠となることから、労働基準法89条では、その事業所で懲戒を制度化するときは、相対的必要記載事項として就業規則に記載することを義務づけています(常に(=「絶対的に」)記載しなければならないわけではなく、懲戒制度をまったく行わない場合には記載しなくともよいので、「相対的」必要記載事項と呼ばれています)。

常時雇用する労働者が10人未満の事業場でも、就業規則を作成することは望ましいと考えられます。もし、就業規則に懲戒規定を設ける場合には、労働者に周知しておかなければなりません。
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