チャレンジ!労働法~ミー猫とつばさのまなびネット|3コース - 問題9


- Q9 -

【就業規則の効力】
労働契約は、労働者と使用者の合意によって成立します(労働契約法第6条)。しかし、より効率的な労務管理のために、就業規則によって統一的に労働条件を定めることがあります。労働契約法第7条は、使用者が合理的な内容の就業規則を労働者に周知させていた場合には、就業規則で規定された労働条件が労働契約の内容になると定めています。

【就業規則による労働条件の不利益変更】
使用者は経営悪化などを打開するために、就業規則の変更により労働者の労働条件を引き下げることがあります。このような就業規則による労働条件の不利益変更が認められるかどうかについて、労働契約法では、「労働契約の変更は労働者と使用者との合意が必要」(労働契約法第8条)であり、「使用者は労働者の同意なく、就業規則を変更することにより、一方的に労働者の不利益に労働条件を変更することはできない」(労働契約法第9条)と定められています。

ただし、労働契約法第10条により、使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、(1)変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、(2)就業規則の変更が、労働者が受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるとされます。
この(2)には、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、同種事項に関するわが国社会における一般的状況、他の労働組合または他の従業員の対応などが考慮要素として含まれると解されています。このように、労働契約法第10条は、判例法理に沿った内容となっています。
なお、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっても変更されない労働条件として合意していた部分については、それが就業規則の基準に達せず無効とされる場合を除いて、就業規則の変更によっても労働条件を変更することはできません(労働契約法第10条ただし書)。つまり、労働者と使用者との間で不変更の合意がある場合には、たとえ就業規則の変更が周知され合理的であっても、その変更の効力は及ばないということです。不変更の合意の内容には様々なものが考えられますが、たとえば、職種や勤務地を限定する合意などがあります。

【就業規則の変更手続き】
使用者は就業規則の変更にあたり、まず、過半数代表の意見を聴き(労働基準法第90条第1項)、次に、変更した就業規則を所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません(労働基準法第89条)。この際に過半数代表から聴取した意見を記した書面を添付する必要があります(労働基準法第90条第2項、労働基準法施行規則第49条第2項)。さらに、労働者への周知が必要となります(労働基準法第106条、労働基準法施行規則第52条の2)。
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