【パートタイム労働者の教育訓練】
パートタイム・有期雇用労働法11条1項では、事業主は、通常の労働者と職務の内容(業務の内容および当該業務に伴う責任の程度)が同じパートタイム労働者(職務内容同一パート)に対して、職務の遂行に必要な能力を身に付けるための教育訓練を通常の労働者と同様に実施しなければならないと定めています。
また、通常の労働者と職務が同じではないパートタイム労働者・有期雇用労働者に対しても、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、職務の内容、成果、意欲、能力、経験等に応じて教育訓練を行うよう努めなければならないとしています(パートタイム・有期雇用労働法第11条第2項)。
【労働条件に関する文書の交付等(パートタイム・有期雇用労働法6条)】
事業主は、パートタイム労働者及び有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」「短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を文書の交付等により明示しなければなりません。
【差別的取扱いの禁止(パートタイム・有期雇用労働法9条)】
職務の内容が通常の労働者と同一のパートタイム労働者・有期雇用労働者であって(職務内容同一短時間・有期雇用労働者)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容および配置の変更の範囲が当該通常の労働者の職務の内容および配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれる者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者)については、パートタイム労働者・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱をしてはなりません(パートタイム・有期雇用労働法9条)。
通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者については、全ての待遇において、パートタイム労働者あるいは有期雇用労働者であることを理由にして差別的に取り扱うことは禁止されています。
【賃金の決定方法(パートタイム・有期雇用労働法10条)】
事業主が、雇用するパートタイム労働者・有期雇用労働者の待遇と通常の労働者の待遇とを相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して、個々の待遇毎に、その性質・目的に照らして不合理と認められるものであってはなりません(パートタイム・有期雇用労働法10条)。
【福利厚生(パートタイム・有期雇用労働法12条)】
事業主は、健康の保持や業務の円滑な遂行に資する福利厚生施設(給食施設・休憩室・更衣室)について、パートタイム労働者・有期雇用労働者にも、その利用機会を与えるよう配慮しなければなりません。
【通常の労働者への転換(パートタイム労働法13条)】
事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者について、通常の労働者への転換を推進するための措置を講じなければなりません。【3コース問18参照】
その際、次の各号のいずれかの措置を講じなければなりません(パートタイム・有期雇用労働法11条)。
1号 通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に周知すること。
2号 通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に対して与える。
3号 一定の資格を有する短時間・有期労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずる。
【事業主が講ずる措置の内容等の説明(パートタイム・有期雇用労働法14条)】
事業主は、その雇用するパートタイム労働者・有期雇用労働者から求めがあったときは、その待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明しなければなりません。
①事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、第8条から13条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法15条1項に規定する厚生労働省令で定める事項及び特定事項を除く。)に関し講ずることとしている措置の内容について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければなりません(パートタイム・有期雇用労働法14条)。
②事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由ならびに6条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければなりません。
③事業主は、短時間・有期雇用労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該短時間・有期雇用労働者に対して解雇その他不利的取扱をしてはなりません(同14条3項)。
【相談体制の整備(パートタイム・有期雇用労働法16条)・苦情の自主的解決(22条)及び都道府県労働局長による紛争解決の援助(24条)】
事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関し、その雇用する短時間・有期雇用労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければなりません(パートタイム・有期雇用労働法22条)。
事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者から上記の待遇などに関する苦情の申し出を受けたときは、事業所内で自主的な解決を図らなければなりません(同22条)。
また、紛争解決援助の仕組みとして、都道府県労働局長による助言、指導、勧告、紛争調整委員会による調停という紛争解決制度が設けられています(同24条~26条)。事業主は、パートタイム労働者・有期雇用労働者が紛争解決の援助を求めたことを理由に解雇その他の不利益な取り扱いをすることはできません(同24条2項)。