チャレンジ!労働法~ミー猫とつばさのまなびネット|3コース - 問題11


- Q11 -

【有期労働契約の締結・更新・雇止めに関する基準】
有期労働契約は、原則として契約期間の満了により終了します。契約期間満了によって当然に労働契約が終了すること(解雇等の意思表示は不要)が契約内容となっているからです。契約の更新については、特に更新契約の約束(特約)がない限り、その都度労働者と使用者双方の合意に基づいて決まります。
労働基準法施行規則第5条第1項1号の2において(1)の「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準」は文書の交付により明示することが使用者に義務付けられています。(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/meiji/dl/h241026-2-betten.pdf)

厚生労働省は有期労働契約の締結、更新、雇止めについて、次のような基準を示しています。
(1)使用者は、労働契約を3回以上更新し、または1年を超えて継続勤務している労働者(更新しない旨を明示されていた者を除く。)を更新しない場合、契約終了の少なくとも30日前までに更新しないことを労働者に伝えること。
(2)雇止めの理由についての証明書を労働者から請求された場合、使用者は証明書を交付しなければならないこと。
(3)使用者は、有期労働契約(契約を1回以上更新し、かつ1年を超えて継続して雇用した場合に限る)を更新しようとする場合においては、労働者の希望に応じて、できるだけ長い契約期間を定めるよう努力すること。
この(3)については、労働契約法17条2項において、使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならないとされています。

【雇止め法理の法定化】
有期労働契約を締結している場合で、雇用期間の満了時に、使用者が契約更新を拒否することは「雇止め」と呼ばれています。有期契約である以上、期間の満了により雇用関係が終了するのが原則ですが、契約の更新を繰り返した結果、期間の定めのない労働契約と実質的に異ならない状態となっている場合や、ある程度の雇用関係の継続が期待される状態になった場合等には、労働者にとっては使用者から契約更新を拒否されるのは、突然仕事を失うこととなり、解雇と同様の結果になります。そこで、従来、裁判例において、期間の定めのない労働契約と実質的に異ならない状態に至っていると認められる場合や、反復更新により雇用継続への合理的な期待が認められる場合、更新について特約があった場合には、雇止めに解雇権濫用法理を類推適用することとされてきました(雇止め法理)。
*「平成24年の労働契約法の改正」により、この雇止め法理が法律上明文化されるに至りました(労働契約法19条)。

【雇止めが無効とされるための要件】
労働契約法19条により、(1)有期労働契約が反復して更新されたことにより、雇止めをすることが解雇と社会通念上同視できるものと認められる場合(労働契約法19条1号)、(2)労働者は有期労働契約が更新させるものと期待することについて合理的な理由が認められる場合(労働契約法19条2号)のいずれかにあたる場合に、労働者が更新や契約締結の申込みをし、それに対して使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、雇止めは認められず、労働者の申込みを使用者が承諾したものとみなされ、従前の有期労働契約と同一の労働条件(契約期間を含む)で有期労働契約が更新されたことになります。
なお、労働者からの有期労働契約の更新の申込みは、契約期間満了する日までの間に更新の申込みをした場合はもちろん、期間満了後、労働者が遅滞なく契約締結の申込みをした場合でもよいとされています。
こうした労働者からの契約更新の申込みは、使用者の雇止めの意思表示に対して、「困ります」と言うなど労働者が雇止めに異議があることが使用者に伝えられていれば更新の申込みがあったと解されています。更新の意思を伝える、雇止めに異議を唱えるほか、訴訟の提起や、紛争調整機関への申立、加入している労働組合が団体交渉等によって解決を図ろうとするなど、使用者に直接または間接に契約更新の意思が伝えられていればよいと考えられています。

【雇止めの判断基準】
労働契約法19条に定められた雇止め法理は、従来の判例法理を法定化したものといわれています。従来、判例において、当該雇用の臨時性・常用性、更新の回数、雇用の通算期間、契約期間管理の状況、雇用継続の期待を持たせる使用者の言動の有無、同様の地位にある他の労働者の契約の更新の状況などを総合考慮して雇止めの効力を判断してきており、今後も雇止めは最初の有期労働契約の締結時から雇止めされた有期労働契約の満了時までの上記のようなあらゆる事情が総合的に勘案されて判断されることになります。
なお、いったん、労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていたにも係わらず、契約期間満了前に更新年数や更新回数の上限を使用者が一方的に宣言したとしても、そのことのみをもって直ちに合理的な期待が否定されることにはなりません。

*「平成24年の労働契約法の改正」
Ⅰ 無期労働契約への転換
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
Ⅱ 「雇止め法理」の法定化
最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容で法律に規定されました。一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。
Ⅲ 不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。
改正法の3つのルール
有期労働契約は、パート労働、派遣労働をはじめ、いわゆる正社員以外の労働形態に多く見られる労働契約の形式です。有期労働契約で働く人は全国で約1,200万人と推計されました。有期労働契約で働く人の約3割が、通算5年を超えて有期労働契約を反復更新している実態にあり、その下で生じる雇止めの不安の解消が課題となっていました。また、有期労働契約であることを理由として不合理な労働条件が定められることのないようにしていく必要がありました。
労働契約法の改正は、こうした問題に対処し、働く人が安心して働き続けることができる社会を実現するためのものです。(なお、派遣社員は、派遣元(派遣会社)と締結される労働契約が対象となります。)有期労働契約の利用に当たり、法改正の趣旨および内容を十分ご理解いただくよう、お願いいたします。
施行期日
Ⅱ:平成24年8月10日(公布日)
ⅠとⅢ:平成25年4月1日
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