チャレンジ!労働法~ミー猫とつばさのまなびネット|3コース - 問題17


- Q17 -

【人事異動とは】
労働者が使用者の命令によって従来の業務、勤務場所、地位等と異なる業務、勤務場所、地位等に移行して勤務することを「人事異動」といいます。人事異動には、配置転換(配転)、出向、転籍などがあります。【配転については2コース問10参照】

【出向とは】
出向とは、法人格を異にする組織間の異動です。別会社に移籍する移籍出向(転籍)と、出向元会社の従業員たる地位を維持したまま、一定期間出向会社で就業する在籍出向とがあります。
在籍出向の場合は、労務を提供する相手が変更されるので、使用者が一方的に命ずることはできませんが、個別の同意までは必要とせず、就業規則や労働協約の出向条項があれば、包括的な同意がされたものとして出向を命じることが可能と解されています。ただし、出向先の労働条件、処遇、出向期間、復帰条件が整備され、内容的にも著しい不利益を含まないことが必要となります。出向命令権が肯定されたとしても、対象者の選定やその他の事情に照らして出向命令権の濫用となるような出向は許されません(労働契約法14条)。

【転籍とは】
これに対し、転籍とは、別の会社に移籍をすることであり、移籍出向(転籍)とも呼ばれます。
転籍については、転籍元会社を退職して転籍先会社と新たな労働契約を締結することになるため、労働者本人の個別同意が必要です。労働者が転籍を拒否したとしても、転籍を強制することはできず、転籍拒否を理由として懲戒処分もできません。

【会社の組織変動(合併、会社分割、事業譲渡)に伴う労働者の所属・処遇に関するルール】
合併、会社分割や事業譲渡が行われた場合、労働契約がどのように取り扱われるか等について、会社法、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(平成12年法律103号)、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律施行規則(平成12年労働省令第48号)、分割会社及び承継会社等が講ずべき当該分割会社が締結している労働契約及び労働協約の承継に関する措置の適切な実施を図るための指針(平成12年労働省告示第127号)、事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針(平成28年厚生労働省告示第318号)等が定められています。
合併の場合には、包括承継となるため、労働関係を含めた全ての権利義務が承継されます。すなわち、労働契約も同一の労働条件で存続会社・新設会社に承継され、労働協約についても同様に承継されます。
会社分割においては、労働契約承継法では、吸収分割契約又は新設分割計画に記載された権利義務が、当然に、承継会社等に承継されると定められています。(「部分的包括承継」と呼ばれています。)会社分割の場合には、労働契約承継法に基づく手続、ルールが適用されます。すなわち、会社分割を行うに当たり、①労働者の理解や協力を得るように努めた上で、②労働者・労働組合に対して労働契約の承継等に関する事項の通知を行い、③労働者に対して、一定の期間を設けて異議の申出の機会を設けること等の規定を定め、労働者の保護を図ることを目的としています。
事業譲渡については、その性質は特定承継(譲渡対象は、あくまで合意された範囲で承継)であるため、労働契約の承継(転籍)には承継される労働者の個別の承諾が必要です。
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